「あぶない刑事」第33話だけがなぜかテレビで放送されない──
そんな疑問を抱いたことはありませんか?実はこの回、ファンの間では“欠番”や“放送禁止”とも囁かれ、都市伝説のように語られてきました。
本記事では、なぜ第33話「生還」が放送禁止とされているのかをわかりやすく解説するとともに、現在も視聴できる方法(Huluなど)についても紹介します。
幻のエピソードの真相と、今すぐ見るための手段を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
放送禁止のあぶない刑事 第33話「生還」はどんな話?

あぶない刑事 第33話のタイトルは「生還」。
1987年5月10日に日本テレビ系列で放送されたエピソードで、全51話の中でも特に“再放送されない回”として知られています。
この回では、主人公のタカこと鷹山刑事が誘拐され、長崎へ連れ去られた上に薬物を注射されるという、シリーズの中でも異色のハードな展開が描かれます。
彼を救出しようと奔走する相棒・ユージとの絆や、極限状態のタカが自力で脱出しようとする姿は、見応えたっぷり。しかし同時に、現代の放送基準では問題視されるような描写も含まれていたため、現在までテレビでの再放送が見送られてきました。
内容的にも演出的にもインパクトの強いエピソードで、「なぜこれだけ再放送されないのか?」と疑問に思ったファンの間で“幻の回”として語り継がれてきたのが第33話「生還」なのです。
放送日・話数と基本情報
あぶない刑事 第33話「生還」は、1987年5月10日に日本テレビ系列で放送されたエピソードです。シリーズ全51話のうちのひとつで、第2シーズンの中盤にあたります。
脚本は 峯尾基三氏、監督は 村川透氏が担当。主演の舘ひろしさん(鷹山)と柴田恭兵さん(大下)が、いつも通り横浜を舞台に事件に立ち向かいますが、この回では通常の刑事ドラマの枠を超えた、やや異色でハードな内容が描かれています。
なお、本作はDVDや配信では視聴できるものの、長らく再放送対象から外されてきたことでも有名です。
内容のあらすじと登場キャラクター
第33話「生還」では、主人公・鷹山(タカ)がある事件の捜査中に暴力団に誘拐され、長崎まで連れ去られます。そこでタカは、組織によって覚醒剤を注射されるという、シリーズ屈指の衝撃的展開が描かれます。
監禁されたタカは、心身ともに追い詰められながらも、謎の女性藤城敬子(ゲストキャラクター)と協力し、脱出を図ります。
一方、大下(ユージ)や町田、真山たち港署の仲間たちは、鷹山の失踪に気づき、独自に捜査を開始。やがてユージは単身で長崎に向かい、壮絶な奪還劇へと突入していきます。
最終的にタカは、薬物中毒の禁断症状と闘いながら自力で生還を果たすというラストを迎え、タイトルの「生還」にふさわしい感動的な締めくくりがなされます。
登場キャラクター(主要登場順):
- 鷹山敏樹(タカ)…舘ひろし
- 大下勇次(ユージ)…柴田恭兵
- 町田透…仲村トオル
- 真山薫…浅野温子
- 藤城敬子(ゲスト)…竹井みどり
ハードボイルドな演出と人間ドラマが交差する本エピソードですが、その表現の一部が“問題視”されることになった点について、次章で詳しく解説していきます。
あぶない刑事の第33話が“放送禁止”とされる理由とは?

あぶない刑事 第33話「生還」は、地上波やBSでの再放送が長らく避けられてきた“欠番”エピソード。その最大の理由は、放送倫理上の問題が指摘される内容が含まれていたためです。
特に、薬物描写や差別的と受け取られるセリフが現代のコンプライアンス基準に抵触すると判断され、再放送が見送られているとされています。
覚醒剤描写によるコンプライアンス問題
第33話「生還」では、主人公の鷹山(タカ)が暴力団に監禁された末、覚醒剤を強制的に注射されるという非常に衝撃的な描写が登場します。
タカは薬物中毒の禁断症状に苦しみながらも、自力で抜け出し、仲間と合流して事件を解決するという展開が描かれますが、この“薬物使用”という要素自体が問題視されるようになりました。
現在の放送基準では、未成年への影響や視聴者への誤解を避けるため、麻薬・覚醒剤などの使用描写には非常に厳しい制限があります。特に主人公が直接薬物を投与されるシーンがある本作は、放送自粛の対象とされやすい内容だと言えるでしょう。
また、ストーリー上で覚醒剤の影響を描くことでキャラクターの成長や絆が強調される一方で、演出としてのインパクトが倫理的なボーダーを超えてしまったとも言われています。
このように、現代のコンプライアンス基準では放送できないと判断される内容が含まれていたことが、再放送NGの理由のひとつとなっています。
エイズに関するセリフが差別的と判断された背景
第33話が“放送禁止”とされるもうひとつの大きな理由は、劇中に登場するエイズに関するセリフが、現代の倫理基準において差別的・偏見的な表現とみなされたためです。
物語の中盤、行方不明になったタカの安否を巡って港署の仲間たちが会話するシーンがあります。
その中で、真山薫が「女のところに行ってるんじゃない?」と冗談を飛ばし、それに対して大下(ユージ)が「男かもしれないぞ」と返す。続けて真山が「タカはエイズの検査に行ったのよ」と発言し、町田透が「この前、タカさんとキスしちゃった…」と不安げに語る、という悪ノリのやりとりが描かれます。
この流れに対し、周囲の刑事たちが町田から離れていくという明らかな差別表現の演出があり、当時は“軽いジョーク”として処理された場面でした。しかし、
- エイズと同性愛を結びつけるような誤解を助長する構成
- 感染に対する不適切な知識の表現
- 差別的な反応を笑いの演出に使っている
といった点が、現代の視点では明確に問題視される内容となっています。
1980年代後半は、HIV/AIDSに関する正しい知識が社会的に浸透していなかった時期であり、このような描写が“軽口”として成立していた背景があります。とはいえ、現在はHIV感染者に対する差別的表現を厳しく排除する流れが放送業界全体にあり、この回はその点で“コンプライアンスNG”とされた代表例でもあります。
結果として、第33話は覚醒剤の描写とともに、このエイズに関するセリフの問題が重なり、「再放送できない」と判断される大きな要因となったのです。
あぶない刑事第33話にまつわる都市伝説と放送禁止の真相

「第33話だけなぜ再放送されないのか?」という疑問がネット上で語られる中で、さまざまな都市伝説や噂が飛び交うようになりました。
中でも有名なのが、「出演俳優に不祥事があったから欠番になったのでは?」という説。しかし、実際にはこの噂には明確な根拠がなく、事実と異なるものです。
この章では、そうした誤解の広がりと実際の真相について解説していきます。
出演者の不祥事説は本当?
ネット上では一時期、「第33話が欠番になったのは、出演者の中に不祥事を起こした人物がいたからでは?」という憶測が広まりました。
たしかに、ドラマやバラエティ番組では出演者の不祥事を理由に再放送や配信が中止される例は少なくありません。しかし、あぶない刑事 第33話に関しては、
- 放送当時も現在も、出演者に重大な不祥事は確認されていない
- 他の回で同じキャストが登場するエピソードは普通に再放送・配信されている
といった事実があり、出演者が原因で欠番となった可能性は極めて低いと考えられます。
特にメインキャストの舘ひろしさんや柴田恭兵さん、仲村トオルさん、浅野温子さんらは、その後も長く活躍を続けており、社会的な問題を起こしたという報道もありません。
このことから、「出演者の問題で封印された」という説は完全に都市伝説レベルの話であり、実際には内容上の問題(薬物・差別表現)が主な理由であると断言できます。
「封印回」として語られてきた理由
あぶない刑事 第33話「生還」は、公式に「放送禁止」と明言されたわけではないものの、長年テレビでの再放送や配信が行われてこなかったことから、ファンの間で“封印回”と呼ばれるようになりました。
その背景には、次のような要素があります。
- BS・地上波の再放送では第33話だけ飛ばされることがあった
- 一部のテレビ雑誌でも「欠番」「放送自粛」と表記されていた
- DVDや配信には収録されていたため、より“不自然さ”が際立った
こうした状況が、視聴者の間に「何か裏の理由があるのでは?」「本当に見てはいけない内容なのか?」という好奇心や憶測を生み出し、都市伝説化したのです。
実際には前述のとおり、放送倫理上の問題(薬物・差別的表現)に配慮して再放送が避けられたというのが真相であり、制作側やテレビ局による明確な“封印”の発表があったわけではありません。
とはいえ、シリーズの中で唯一明確に放送されなくなった回であることから、ファンの間では今なお「幻のエピソード」として特別な存在感を放っています。
あぶない刑事の放送禁止の第33話はどこで見れる?配信状況まとめ

テレビでは長らく“放送禁止”扱いとなってきた第33話ですが、現在では視聴する方法がいくつか存在します。
特に動画配信サービス(VOD)やDVD・Blu-rayでは、問題となった第33話も含めて全話視聴が可能です。ここでは、どのような手段で「生還」を見られるのか、わかりやすくまとめます。
Huluでの視聴が可能
現在、第33話「生還」を含む『あぶない刑事』全51話はHuluで配信中です。
過去には地上波やBSでの再放送が見送られてきたこのエピソードも、Huluなら他の回と同様に視聴することができます。
再放送では決して見られなかった“幻の回”。その真相を、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
DVD・Blu-rayに収録されているか
第33話「生還」は、市販のDVD-BOXやBlu-ray-BOXにもきちんと収録されています。
特に、デアゴスティーニのDVDコレクションや、日テレ公式から販売されているDVD-BOX(Vol.2)などでは、欠番扱いされることなく他のエピソードと同様に視聴可能です。
「封印されているのでは…?」と誤解されがちですが、実際にはパッケージメディアでは何の制限もなく収録されており、特にこだわりのあるファンやコレクターにとっては確実な視聴手段のひとつとなっています。
なお、中古市場では価格が高騰することもあるため、購入の際は早めのチェックがおすすめです。
再放送で放送された例はある?
長年“欠番”扱いされてきた第33話「生還」ですが、実はごく一部で再放送された実績があります。
特に話題となったのが、2024年5月に日本テレビで実施された『あぶない刑事』特別編成の再放送です。この時は、映画公開記念として放送された中で、通常では飛ばされがちだった第33話もオンエアされたと一部の視聴者から報告がありました。
また、CS放送(東映チャンネルなど)でも過去に33話が放送されたことがあり、完全に“封印”されていたわけではありません。
とはいえ、地上波やBSでの通常枠で放送されるケースは非常にまれであり、基本的には配信やソフトでの視聴が確実です。
「テレビで見られないのはなぜ?」という疑問が広がった背景には、この不定期かつ限定的な再放送事情も影響していると言えるでしょう。
まとめ|あぶない刑事の第33話は“放送禁止”でも視聴可能!
あぶない刑事 第33話「生還」は、覚醒剤の強制投与シーンやエイズに関する差別的なセリフが含まれていたことで、現代の放送基準に抵触すると判断され、長らく地上波などでは“欠番”扱いとされてきました。
その一方で、都市伝説的な噂や出演者の不祥事説など、誤った情報が独り歩きしたことも、より一層「封印回」として語られる要因となりました。
しかしながら、現在ではHuluをはじめとする配信サービスで第33話も含めた全話が配信されており、DVDやBlu-rayといったパッケージメディアでも問題なく視聴できます。
再放送ではなかなかお目にかかれなかったこの“幻の回”を、今だからこそ改めて観てみると、当時の空気感や時代背景も含めて多くの気づきがあるかもしれません。